「風俗で一日5万しか稼げなかった私が裏引きだけで月収400万到達するまで」「低スぺ芋でもパパ活で3桁引ける方法」……。
夜職の女の子たちのSNSを眺めていると、時折そんな文言が目に付く。投稿を見ると、煌(きら)びやかな背景にシャンパンと札束の写真。どうやらホストクラブで大金を使って豪遊しているらしい。
最近、歌舞伎町界隈で悪質な情報商材が飛び交っている。それは「パパ活マニュアル」というもの。10代後半〜20代前半と思しき若い女の子が、ホストクラブで豪遊している写真と共に、「こんなに稼げるようになった方法」としてパパ活マニュアルをnoteなどで販売しているのだ。
「良いパパ・悪いパパ」の見極め方、パパ活をしやすいプロフィールの設定方法、高額を引く方法、めんどくさくなったパパの切り方などなど……。彼女たちはそうしたノウハウを数千〜数万円で販売している。高額マニュアルの場合は、LINEなどで販売者と直接相談できるというものもある。
こんな怪しげなマニュアルをいったい誰が買うのかと思うが、買い手はけっこういる。パパ活にあこがれを抱いていたり、ホストに通い始めてお金に困っている若い女の子たちがこぞって購入しているのだ。複数のマニュアルを購入して情報を集めている子もいて、「〇〇のマニュアルは役に立った」「□□ちゃんの裏引きノート買って実践したら本当に50万引けた! 天才!」といった投稿がツイッターにはあふれている。
まさに典型的な情報商材だが、マニュアルのなかには悪質な内容のものもある。「家賃が払えない」「借金がある」といったウソをつくことを推奨しているなんてものは可愛いほうで、さらにヤバいのは、そもそも販売者がデタラメなマニュアルを売っているケースである。体験談もホストクラブでの豪遊もすべてウソ。虚偽の内容をパパ活マニュアルとして販売し、「マニュアルに数万円程度の先行投資ができない子が百万以上引けるわけないでしょ」とそそのかすのだ。さらには、サクラを利用して「マニュアルを買ったら稼げた」という嘘のツイートで宣伝させることまで行われているという。
そういった悪質販売者のなかには、購入した女の子たちを囲い込み、「相談」という名のモラハラや暴言によって仕事を辞めさせたり、我流のパパ活を強要させたりする人物もいるそうだ。
マニュアルを買っても上手くいかなかった女の子が販売者に相談した結果、さらに高額なマニュアルを買わされることもあるという。パパ活でオジサンからお金を引こうとした結果、同世代の女の子からカモられてしまうのはなんとも皮肉なものである。
一昔前までは、若い女の子を騙(だま)すのは決まって男たちだった。歌舞伎町のスカウトなどが、「良い仕事あるよ」といって近づき、夜の仕事を斡旋(あっせん)する。だがいまは、若い女の子が同世代の女の子からお金を巻き上げるという構図が急増しており、その一つが「パパ活マニュアル」なのである。
では、マニュアルを販売している情報商材屋はどうやってカモを見つけているのか。盛んに活用されているのは、やはりSNSである。夜の仕事やパパ活に興味を持っている女の子にダイレクトに宣伝するため、アカウントが売買されるケースもある。歌舞伎町の有名な風俗嬢やキャバクラ嬢のなかには、数千〜数万のフォロワーを持つインフルエンサーも少なくない。そういった人たちに数十万円を支払い、アカウントごと購入する情報商材屋もいるという。
昔から歌舞伎町には、若い女の子を騙そうとする人は大勢いた。だが現在は、同世代の女の子まで警戒しなければならない時代なのである。ちなみに、筆者の見る限り、本当に稼いでいるパパ活女子は目立たぬようにひっそりと生息しているものだ。
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